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Tuesday, October 27 • 4:40pm - 5:20pm
通信事業者観点からOpenStackベースのサーバ基盤に求める技術的要件について

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NTT西日本では日本国内の西日本エリア30府県で固定通信サービスを展開している。フレッツはブロードバンドIPアクセス、映像、電話等のサービスを提供し、そのバックグラウンドで大規模なインフラを運営している。サービスの提供にあたっては安定的かつ高品質なサービス提供が求められる一方、CAPEX/OPEXの削減が経営課題として常に掲げられている。

NTT西日本研究開発センタでは、フレッツサービスを提供するサーバ基盤の抜本的なCAPEX/OPEX削減を目指し、OpenStackに代表されるクラウド基盤技術をベースとしたサーバインフラへの移行に向けて検討を進め、調査・開発用トライアル基盤を構築して検証およびトライアルを開始した。この営みによって、(コミュニティの中では既に認識されている内容ではあるが)当方において主にNeutronの機能・性能面の課題に直面している。本セッションにおいては、これまでの検討ならびに評価によって得られた知見を紹介したい。

まず、NTT西日本におけるサーバ基盤の現状およびそれが抱える課題と、現在の課題を解決するためにOpenStackベースのサーバ基盤へ切り替えるに当たり必要とする機能・性能要件について紹介する。

次に機能面について、当方における喫緊の課題としてIPv6対応が挙げられる。仮想化やコンテナ技術の利用が進む中でIPv4アドレスの枯渇は今後ますます全世界的にも重大な課題であると考えられる。しかしLBaaSやFWaaSなどNeutronの各機能においてはIPv6対応はIPv4と同等に扱えるには至っておらず早期の対応が求められる。また、LBaaSに関して言えば、現状はIPv4においてもUDPは対象外となっているが、通信事業者網ではIP電話やユーザ認証等の機能でSIPやRadiusといったUDP通信が必要不可欠であり、負荷分散制御のUDPへの対応が望まれる。
本セッションでは上記を含めた検討・評価結果について報告する。

最後に性能面では、OVS(L2)およびNeutron(L3)のパケット転送性能が課題である。当方で実施した「コミュニティ版OpenStack(Kilo)&汎用IAサーバ機&ToR-SW」のみで構成された(いわゆる3台構成をベースとした)評価環境における性能検証結果を元に性能面における課題を改めて会場において共通認識化するとともに、これらに対する現時点での対策案などについて紹介・議論したい。

本セッションでの課題提起を通じ、Neutronの機能充足に向けてデベロッパ・コントリビュータの方々の協力を得ながらエンドユーザの立場から早期の実現化を推し進めていきたい。

Speakers
KC

玉置 伸行

日本仮想化技術株式会社 エンタープライズクラウド事業部所属。 エンタープライズクラスのクラウド基盤の導入検討から構築・運用までを支援するコンサルティングサービスの立ち上げに奔走する。

中島 健

カノニカルの日本におけるUbuntuの営業・ビジネス開発全般を担当。

木村 成彰

西日本電信電話株式会社(NTT... Read More →
FL

郭 藍

西日本電信電話株式会社(NTT西日本) 技術革新部 研究開発センタ 勤務2014年度入社。怒涛のように押し寄せる技術用語の波をかきわけ日々勉強中。


Tuesday October 27, 2015 4:40pm - 5:20pm JST
Hakugyoku

Attendees (1)